デザインとビルドクオリティ
Aiva 2の第一印象は、なんといってもその美しい外観です。SENDY AUDIOのシグネチャーとも言える天然無垢材(ゼブラウッド)のイヤーカップは、手作業による丁寧な仕上げが施されており、一台一台異なる木目が個性を際立たせています。人魚の鱗をイメージしたという金属製のグリルは、開口率を緻密に調整することで音質にも寄与しつつ、見た目にも高級感をプラスしています。
ヘッドバンドはスチール製で耐久性がありつつ、柔らかいスエードレザーが頭部への圧力を軽減。イヤーパッドにはハイプロテインレザーとメモリーフォームが採用されており、長時間の使用でも快適さが保たれます。重量は約420gと軽くはないものの、バランスの良い設計のおかげで装着時の負担は少ないです。付属品として、6N OCC 4芯リッツ線の1.8mケーブル(4.4mmバランス接続)、3.5mm変換アダプター、麻布ポーチ、そしてしっかりしたレザーキャリングケースが同梱されており、持ち運びにも配慮されています。
装着感
Aiva 2はエルゴノミックデザインを採用しており、イヤーパッドが耳の形状に自然にフィットします。頭部のサイズ調整はスムーズで、適切なクランプ力により安定感があります。オープン型ならではの通気性も良好で、数時間使用しても蒸れにくいのは嬉しいポイント。特に、春先の暖かい日でも快適に使えると感じました。ただし、サイズ調整に慣れるまでは少し試行錯誤が必要かもしれません。
音質
Aiva 2の心臓部は、97×76mmの平面磁界型ドライバーと、厚さわずか1ミクロンの超薄型振動板です。この設計により、歪みの少ないクリアなサウンドと優れたトランジェント特性を実現しています。実際に聴いてみると、まず驚くのはその広い音場感。人魚の歌声のような開放感と表現されるだけあって、音が頭の周りを自由に広がり、空間的な奥行きがしっかり感じられます。
低域: ベースは深みがありつつもタイトで、過剰なブーストがない自然な響き。エレクトロニックやヒップホップのような低音重視のジャンルでは少し物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、アコースティックやクラシックでは楽器の質感がリアルに再現されます。
中域: ボーカルや弦楽器が際立ち、非常にクリアで温かみのあるトーン。解像度が高く、細かなニュアンスまでしっかりと聴き取れます。特にバイオリンの余韻やボーカルの息遣いが美しく、感情的な表現に引き込まれます。
高域: 高音はエアリーで伸びやか。シンバルやハイハットの響きが鮮明で、耳に刺さるような鋭さはありません。分析的ながらもリスニングを楽しめるバランスが取れています。
全体的に、Aiva 2のサウンドシグネチャーはニュートラルに近く、ジャズやクラシック、ポップスなど幅広いジャンルで高いパフォーマンスを発揮します。ただし、重低音を求めるバスヘッドには少し物足りないかもしれません。駆動力に関しては、スマホ直挿しでも鳴らせますが、バランス接続対応のDAPやアンプを組み合わせることで真価を発揮します。私はポータブルDAC経由で試聴しましたが、音の分離感とダイナミクスがさらに向上しました。
総評
SENDY AUDIO Aiva…