高音の質:45
中音の質:50
低音の質:45
細やかさ:45
迫力:50
音場:45
遮音性:35
音漏耐性:35
試聴環境:SP3000M、P6pro
比較対象:Traillii JP、RAVEN、Phonix Limited Edition
レビュー:
EMPIRE EARSのイヤホンは個人的に大好きで、Legend Xに始まり、ODIN、RAVENとフラグシップといわれるものは、一通り所持してきました。
さて、エンパイアイヤーズのイヤホンを所持したことがある人は多少なりとも経験したことがあるのではないでしょうか…シェルの不具合を。
フェイスプレートが浮いてきたり、塗装が白変したり、ひびが入ったり…。
中身(ドライバー)が大量に詰まっている手前、装着感との兼ね合いもあることから、シェル筐体の大きさをどうやって小さくするか…そうだ!素材を薄くすればいいんだ!
…ということで、割とそうした不具合が出やすい傾向にあると思われます。
音はいいのに、そうした取り扱いに細心の注意が必要な点が、このメーカーの弱点かと思います。Ravenになってフェイスプレートが金属になり、プレートの浮きといった症状は出なくなりましたが、いまだ極薄シェルゆえに取扱注意なことには変わりありません(初期型のものはケーブルの嵌合がきつすぎて、抜線したらシェルが割れるなんて不具合もあったようで…)
さて、このNOVUS、どうしたことでしょう。まさかの金属筐体になり、そうした不具合とも完全におさらばしたようです。
すれば、そこに残るのは、ただの素敵な音を奏でるイヤホンのみ…。これは、革命的です。(しかし、冬場は耳穴回りがひんやりと冷えそうですが…)
肝心の音質に行きましょう。
ここは、やはりRavenと比較するべきかと思います。変わったのは骨伝導ドライバーです。Ravenは自社開発の「W10骨伝導ドライバー」という、メーカー曰く「極端な出力」を有するものが1発…。対してNovusは、「Sonion製高質量骨伝導ドライバー」が2発ということで、他社製のドライバーを積むことで、メーカー曰く「シングル骨伝導のアプローチから革新的に飛躍し、骨伝導技術を進化させ」たとのことです。
そうした違いなのかは私には明確にわからないものの、音の傾向は近しいものの、Novusの方が、音圧・迫力ともに抑えられ、いろいろな曲調に合う、リスニング向けオールマイティ寄りの音質に感じます。とはいえ、他のメーカーに比べれば、低音の再現性やノリの良い圧を感じる”熱い”音質は健在ですので、私のようにEMPIRE EARS好きの方も満足できると思います。
ただ、ハイエンドイヤホンを持っている人は、得てしてそうした高価格帯のイヤホンを何本も持っている傾向にあるため、オールマイティなイヤホンではなく、何かに特化したイヤホンが欲しくなるのではないでしょうか。そうした方には、ちょっと物足りないかもしれません。
また、Ravenは総計6個ものベントが開いており、遮音性はいまいちと言わざるを得ません…。Novusでは金属筐体かつ、ベントが3つに減ったことから多少遮音性が上がったかなと思いましたが、視聴する限りそれほど変わらないかな、という印象です…。
といろいろとネガティブな面も含めて書きましたが、いずれにせよ、金属筐体になり”耐久性がある”EMPIRE…