状態がいい中古があったので今更ですが購入してみました。普段はSP1000やSR35を使ってます。このサイズでこの重さ、外観のイメージ通りの音をしてると感じました。

ギュッと濃厚で艶があり中低域寄りの落ち着いた音です。空間の表現はSP1000やSR35の方が派手で分かりやすいですが、楽器や声そのものの音色の美しさを重視される方にはSA700が合いそうです。個人的にもクルーナーボイスなどを聴く際はSA700を選ぶことが多いです。

本体は重さも相まってとても高級感があり所有欲が満たされます。わたしはこの塊感が好きです。

言われてる通りバッテリーの持ちが良くなくてパワーオフにしてても減ってます。SP1000やSR35はそんなことないので少し残念ですがそこは割り切って持ち運びはSR35や他の小型のDAPを使用してます。

最近はあまり出回らないし、電池持ちなどデメリットもある製品かと思いますが機会があれば聴いてみていただきたいDAPです。

どこかで「このDAPは、DAC本来の音を出す」という文言を目にしたことがありますが、正にその通りです。

これまで聞いてきた曲が別物のように聴こえるという表現よりも、これまで聴いてきた曲が蘇るといった感じ。

「やっぱ良い曲だな」と、初めて聞いた時の感覚を思い出させてくれるような。

お手持ちのイヤホン、ヘッドホンの音を特徴そのままに数段上げることが出来る、中々稀有なプレーヤーだと思います。

正直出力は大きくないし、重いし、操作性悪いし、電池持ちも良くない。

数値上の性能としては他DAPに譲る部分も大きいですが、買って後悔することは恐らくありません。

最近主流のサブスクも大半は使えます。

まとめて、「AKの理念ここに極まれり」なDAPです。

ボーカルが際立つ、音楽性溢れる味付けの少ない美音系だと感じます。プロ用機の様な、分析的で冷たく硬い、モニター向きの音とは真反対だと思って下さい。

ボーカルやピアノには、艶や暖かみがあり、情報量の多さと音の厚みは心地よいです。

ですが派手な音色では無い分、騒音下では掻き消されてしまいます。

似た音色で、騒音下でも力を発揮できるのは、同じくAstell&Kernの「SR25」でしょう。

力強いボーカルであれば「SR25」

艶やかなボーカルなら「SA700」

ですがこの2つは僅差であり、コンセプトを見ても、どちらもAstell&Kernの目指した音なのでしょう。

操作性に関しては、まぁ重たさが原因で下げています。

あと自分でイコライザーをいじる時、恐ろしくやりづらいです。これがAstell&Kern全てのDAPにおいて言えることですが、SONYの使いやすさを考えればあまりにも酷い出来です。

UIの改善期待したいです。