高音の質:40
中音の質:40
低音の質:50
細やかさ:45
迫力:50
音場:50
遮音性:50
音漏耐性:50
情報が出た時から何ヶ月も待ち望んだ機器でようやく手元に届いて、色々と聴き込むのが楽しみです。
リスニング環境はSP 3000
ケーブルはかなり太めで、やや鈍く輝く銀メッキの色合いとハウジングの無骨にも感じるデザインで存在感がある見た目になっています。
ハウジングは写真で見た時は金属感が強かったですが、実物はマットな感じになっているため、思ったより金属感はありません。
2時間ほど聞いてみた感想は、個性増しましの特濃な音楽空間という感じです。
特徴は、やはり非常に強い低域の効きです。
ボーカルは意外と近くで聞こえ、楽器が広大な音場で響くようになっているため、フロアで聞いているような臨場感を感じます。
正直、低域の効きを重視したイヤホンはエントリーからミドルクラスのイヤホンに多い印象で、このクラスのイヤホンではあまり出合いませんが、そこはさすがVE、低域の響きは重く強いですが音の分離感、輪郭がはっきりとしているのでボーカルと高域の音も無理せず耳に届きます。
気になっていたVE制作のフラグシップ級イヤホン、PHÖNIXやAURAとも大分特徴が違います。
比較すると下記のような感じでしょうか。
フォーカスされる音域 VE10:低域 PHÖNIX:中域 AURA:フラット
音場の広さ VE10 > AURA > PHÖNIX
音の迫力 VE10 ≒ PHÖNIX > AURA
音の密度 PHÖNIX > VE10 > AURA
正確な音の描写・分離感 AURA > VE10 > PHÖNIX
PHÖNIX はやはりボーカル表現において、この3機種の中でも最も優れているように感じます。
AURAはこの中で比べるとフラットな音質で音の精密さ、ニュアンス表現に優れているため、リスニングイヤホンという印象が強いです。
VE10は低域の鳴り、迫力に優れ、かつ音楽の描写力や分離感も優れた逸品という感じでした。
フラグシップ級になると、音質の追求の末にかえって音のクセが抜けた優等生的なものになっていく傾向がありますが、本機は非常に攻めた個性的な一品なのでクセのないイヤホンに飽きたかたは是非手に取ってみてください。
イヤホンにハマり出した時の新鮮さを思い出した気がしました。
ちなみに個人的な感想で、イヤーピースはCOREIRを好んで使用していたので今回も取り付けて使ってみたのですが本機には合わない気がしました。
音場は広がりますが、明らかに低域の量感が減り、中高域、高域がやや耳に刺さるような感じがします。
個人的には付属のsedna orgin の方が合っていると感じました。
またステムはかなり太めなのでfinal type Eなども使用は難しいかもしれません。