高音の質:45
中音の質:45
低音の質:45
細やかさ:40
迫力:35
音場:30
遮音性:10
音漏耐性:10
下記レビューは、スェードイヤーパッド使用、自作ディスクリートHPアンプにアンバランス接続の仕様環境下で、約20時間のエージング後の評価です。
重量級で装着感を心配していたのですが、ヘッドバンドと側圧調整でうまく重量をバランスさせているのか、過度に重さを感じることなく装着性は良好です。
モガミ2534の芯線を使った自作ケーブルと交換してみましたが、インピーダンスが高いせいか音質差はほとんどなく、付属の高品質ケーブルをそのまま使用しています。
音質に関しては、高音域に「わずかなクセ」があり、少々硬質でボーカルで言えばピッチが上がったように聞こえ、最初はそれが気になり購入をためらったのですが、試聴を重ねるうちに、ボーカルが近くで生々しく聞こえ、ギターのピッキングのニュアンスまで感じさせるリアリティーなど、手持ちのヘッドホンにはない再生音に魅かれ購入に至りました。
低音域はフラットかつ引き締まっており、中音域にわずかなディップを感じるものの、非常に自然に再生します。高音域は、上記のクセを除いて過不足は感じませんし、強調のない自然な解像度感が持ち味だと思います。
大口径ユニットと高剛性ハウジングの恩恵か、平面駆動型に肉薄する過渡応答特性の良さが感じられ、音場は若干狭いものの、見通しの良い臨場感を持ちます。
「何も引かない、何も足さない」というのをモニターヘッドホンの定義とするならば、この機種はそれには適合しませんが、上記の高音域のクセを分かった上で常用するなら、特にソースを選ばず、十分リファレンス機として活躍できる実力を持つ高性能な商品だと思います。
コストパフォーマンスに関しては、レザーケース、交換用接続プラグ、イヤーパッドをどう評価するかによって変わるでしょう。個人的には、それらを別売にして価格を下げて頂けたら、満足度及びお薦め度がアップするのですが。
[追記]プロテインレザーイヤーパッド装着時の音質に関して
低音域のレスポンスが低下し、音色バランスが中高音寄りになるのが交換当初のイメージですが、じっくり聴きこむと、中音域の落ち込みが改善し、高音域に関しては音色的な変化は少ないものの、各楽器の分離感が向上する事が判明しました。
通常のリスニングでは、スェードの再生音が心地よく聞こえるのでメーカーとしてデフォルトにしているのでしょうが、モニター用途で分析的リスニングを必要とする際にはプロティンレザーに交換すれば良いかと思います。