高音の質:40
中音の質:45
低音の質:45
細やかさ:40
迫力:40
音場:45
遮音性:40
音漏耐性:40
試聴レビューとなります。
環境は、Xperia XZ3とのapt-X接続で、音源はロックやJ-PopのFLACです。
まずは音質についてです。
帯域バランスは低域~中低域(正確には中域の下あたりまで)が多めです。
低域は、音源によっては中域とやや被ったり膨らんだりしますが、沈み込みの深さや芯の部分がしっかりと感じられ、質感自体は悪くありません。
ベースラインが聴きやすく、低域の量と質の両立は、同社のTWSの中でも1、2を争うレベルだと感じました。
中域はボーカル等が近くで鳴っていて、解像度も高めだと思います。
しかし、音源によっては低域の主張が強くなり、中高域と高域が若干負けます。
高域は量感は多くありませんが繊細な鳴り方をしていて、刺激が少なく柔らかさがあります。
音の輪郭がしっかりと出ていて、音場は横の広さを感じやすいと思います。
個人的には、低域を減らしてもう少し高域の量や質を向上させ、抜けの良さが欲しいなと思いますが、音全体のバランスはきちんととれています。
次は音質以外についてです。
デザイン面については、ag製TWSの特徴となっているマットでサラサラした感触で、同社のRシリーズと比較すると、男性が好きそうなデザインになっています。
装着感は個人差が大きいですが、私には良好で、耳への負担が少ない印象を持ちました。
このあたりは、TWS用に開発されたType Eイヤーピースの恩恵を受けているのかもしれません。
機能面では、私が個人的に「TWSに求める機能性」としている、
apt-X対応
IPX4以上の防水
充電ケース込みでの連続再生50時間以上
という3点のうち、IPX4のみ満たしています。
apt-Xに非対応なのはとても残念で、後継機を開発する際には必ず対応して欲しいと思います。
また、連続再生時間に関しては、デュアルドライバーを駆動させるために、他のTWSより多くの電力を使用するであろう事を考慮しても、SBCやAACでの接続で、イヤホン単体の再生時間が公称で最大4.5時間というのは、TWSが進化した現在としては短いです。
私個人の意見としては、携帯性に影響が出るために難しい判断にはなりますが、充電ケース込みでの連続再生時間をもう少し大きくしてでも、伸ばすべきだったのではないかなと思います。
総評としては、TWSでデュアルドライバーを搭載した点から見ても、新たな一歩の始まりと言える製品ではないでしょうか。
機能性に改善点はありますが、音質は良好な部類で、デザイン面での細かい拘りが見受けられる事からも、かなり練って開発された製品だと言えるのではないでしょうか。
率直に言えば、メーカーとしてはやり残した面があるのではないかなと感じています。
それは機能性の面ですが、逆に言えば、改善する余地が機能性や音質にもあるという点で、今から後継機が楽しみにもなります。
他社の2万円以上のTWSと互角に渡り合える製品となるまであと一歩半だと感じます。
最後の方はレビューというよりも、メーカーへの要望となってしまいましたが、本機はe☆イヤホンさんでしか販売されていませんので、お店に寄られた際には試聴してみて欲しいです。
今後の期待を込めてあえて満足度を3.5にしましたが、良い製品だと思います。
是非お試し下さい。