Xperia X compact で聴いています。
私にとって初めての完全ワイヤレスイヤホンです。フリマでほぼ新品の中古を入手し8ヶ月経過後のレビューです。
以前SONYのMDR-EX31BNというVICTORINOXミニナイフのようなレシーバーにイヤホンを接続するワイヤレスノイキャンのヘッドセットを持っていましたが、靄がかかったような音は不満でした。同じくSONYのWF-1000X(WF-1000XXM3の前機種)も店頭で試聴しましたが、NCの性能は良かったものの、これも音楽を楽しめるほどの音質には至っていませんでした。
そんなわけでワイヤレスには疑いの目を向けていたのですが、このHA-A10Tは一聴して違いました。素直で元気のいい音です。私は重低音が苦手ですが、これは高~中音域にボリュームがあり、低域も程よくいい塩梅のドンシャリです。私好みでした。EDM、J-pop向きです。
欠点としてはL字形状でテコが働きやすく、部屋の片付けなどしながら付けていると、ポロリと外れそうになることがあります。また宝石箱のようなケースもポケットには収まりにくい形です。
しかしながら音質の高さには驚きました。この機種でTWSに開眼させられ、後でWF-1000MX3も買ったのですが、HA-A10Tは解像度や定位感では負けるものの、中音域の豊かな響きは負けません。ボーカルにフォーカスが効いていて音場は狭いですが、演奏者の側に立って音楽を一緒に奏でているような気分になります。HA-A10Tを読んで字のごとく、ハートのこもった情熱的な響きです。ピンクノイズでエージングを重ねると高域の伸びや音の輪郭がしっかりしてさらに良くなります。
NiziUの[Step and a step]はWF-1000MX3で聞くよりもキラキラ感が溢れこちらの方がだんぜん楽しい。クラシックロックも悪くないです。ブラック・サバスのファーストアルバムは音が塊としてガツンと響いてきます。
良品廉価とはこのこと。JVCはこれだけの音をこんなに安く提供できるとは、日本の誇れるブランドです。
思えば、私にとって初めての音楽体験は親父のビクターのレコードコンポでした。初めて買ったカセットデッキもTD-V631。ビデオデッキもVictorでした。一貫してJVCの製品は使用者に対してわかりやすいプロダクトデザインだと思います。TD-V631は他社の機種よりもレベルメーターの視認性やボタンやツマミの形状や大きさなど扱いやすかった上にカッコよかった。今風に言えばUIが優れたデザインでした。
当機HA-A10Tはわっぱ弁当箱を思わせる筐体に梅干しのごとく真ん丸ボタンが凸形状で置かれてますが、一目でそれが物理ボタンだとわかります。奇をてらわずわかりやすく使い勝手優先のデザイン。Victorの伝統がここに受け継がれています。
エントリーレベルでこんなに音の演出がうまいJVCだから、消費者としては他の機種も集めたくなります。安いだけに貧乏人泣かせな奴。TWS蟻地獄の入口がこれだった訳です。
TWSの世界に、みなさんもこのHA-A10Tで足を踏み入れてはいかがですか?