デザイン
SENDY AUDIO Apolloは、天然ローズウッドを使用したハウジングが特徴で、深みのある木目と光沢が美しい仕上がりです。太陽の温もりをイメージしたというスチールメッシュのカバーは、装飾的でありながら音響調整にも寄与しており、高級感を演出しています。全体的にクラフトマンシップを感じさせるデザインで、デスクに置いておくだけでもインテリアとして映えるほど。オープン型らしい開放的な見た目も、音の広がりを予感させる魅力的なポイントです。
装着感
ヘッドバンドには柔らかなゴートレザー、イヤーパッドにはハイプロテインレザーとメモリーフォームが採用されており、肌触りが良く、長時間の使用でも耳への負担が少ないです。側圧は適度で、頭にしっかりフィットする一方で締め付けすぎないバランスが取れています。ただし、重量が約395gとやや重めなので、長時間装着すると首や頭に疲れを感じる人もいるかもしれません。軽量モデルを求めるユーザーには少し気になる点かもしれませんが、オープン型としては標準的な範囲内です。
音質
68mmの平面磁界ドライバーとQUAD-FORMERテクノロジーにより、歪みの少ないクリアなサウンドを実現しています。
低音: 深みがありつつもタイトで自然。ベースラインがしっかり聴こえる一方、他の音域を邪魔しない控えめな主張が好印象。
中音: ボーカルやアコースティック楽器が自然に響き、目の前で演奏されているような臨場感があります。温かみのあるトーンが特徴。
高音: 繊細で刺さりにくく、シンバルや弦楽器のニュアンスを心地よく再現。伸びやかさも十分。
オープン型ならではの広いサウンドステージが楽しめ、クラシックやジャズで特にその広がりが活きます。ただし、低音の量感を重視する人には少し控えめに感じる可能性があります。
使用感
インピーダンスが16Ωと低く、駆動しやすいため、ポータブルプレーヤーやスマートフォンでも十分な音量が得られます。付属の4.4mmバランスケーブルと3.5mm変換プラグは高品質で、この価格帯では嬉しい配慮です。ただし、ケーブルが2.5mm端子で着脱式なのは、リケーブルを楽しみたいユーザーにとってやや不便。オープン型の特性上、遮音性や音漏れ耐性が低いので、静かな環境での使用が推奨されます。公共の場や騒がしい場所では向きません。
総合評価
SENDY AUDIO Apolloは、約5万円という価格で平面磁界型の魅力を手軽に味わえるエントリーモデルとして優秀です。美しい木製デザインと快適な装着感、リラックスして楽しめる温かみのある音質が魅力で、オールジャンルをカジュアルに楽しみたい人や、平面磁界型の入門機を探している人に最適。高解像度を極めるよりも、音楽をゆったり味わいたいリスニング志向の方に特におすすめです。コスパに優れた一台として、初めての高品質ヘッドホンにも十分候補に挙がるでしょう。