＜特徴まとめ＞
●表面がサラッとしていてするっと耳道に入る 装着感は普通よりほんの少し軽くて優しいくらいで特筆するほどではない iSep01の装着感に結構似てるかも
●ほんのり軸硬め 硬すぎはしないので、ノズル径の広いイヤホンに付けることも可能
●中低域～中域を緩やかに盛る音特性で、癖なくボーカルの厚みをプラスすることができる 男性ボーカルをターゲットにしている傾向が強く、厚みのプラスの仕方が男性だととても上手 女性ボーカルだと厚みのプラス幅は小さめ ボーカルに変なダミをのせず健やかさを綺麗に保つので、ベース域を補う使い方もOK ロック系だと良い方向に作用しやすいので、ロックなイヤホンにどうぞ 音が地味と言えば地味なので、音を大きく変えたい人には向かない だがそれは大きな長所にもなる イヤピで音を極めるには、そういう考え方の切り替えも大事
●今のイヤピとしては単価が比較的安い部類 これが安いと言える今が怖い
＜総評＞
男性ボーカルをうまい事強化するイヤピ 癖のない軽低域強化イヤピとして扱うことも可能で、自分は低域補正用としてお世話になることが多い 低域強化イヤピは結構ピーキーなものが多く、低域の中のバランスを崩したり、ボーカルにダミがのったり、高音が突き刺さる様になったりと変な癖を誘発することが結構ある 特に最初の2つは自分も結構悩まされる 「ほんのちょっとだけ低域の一部を調整したいんだけどなあ」という時にジャストフィットするこのイヤピは、低域フリークスの自分にとって痒い所に手が届く必需のイヤピである 個人的にかなり好きなイヤピの1つ
そこそこ高いイヤピにしてはコレイルのように音を「進化する」のではなく音の隙間を「埋める」タイプで地味だが、補修材みたいなやつだからこそ小さくて微妙な「穴」だけにうまく作用する コレイルは超スペックゆえに音をコントロールするのが本当に難しく、皆うまく扱えててすげえなあと素直に感心する 自分にはこれぐらいが安心して使えるし満足度も高く感じる、、、と自分に言い聞かせている コレイルの扱いがムズすぎるのがよくない（謎反論）
地味とかネガティブ気味に言ってしまったが、音を無難な範囲で変える弱めの特性からくるスタンダードな使いやすさが魅力だと思うし、コレイルのようなイヤピが注目される今だからこそ、こういう音をちょっとだけ変えるイヤピこそが真に音質を追求できるものだと思わされる 音が大きく変わるのは確かに楽しいものだが、もともと良い音をさらに詰めようとする際にオーバーシュートする危険性が非常に高く、それが起こると煩わしいとしか思えない 自分がコレイルを買ってもほとんど使っていない一番の理由がまさにこれである 音を大きく変える素質ではなくほんの少し変える素質こそが、極限まで理想の音質を追求するのに必要だろう？、そんな反骨精神めいたダンディズムを感じる通イヤピである スタンダードなものを求める人にもオススメできるが、上記のような信条を持つ通な人に「中低域補正用」として活かしてもらいたい 初心者から玄人まで使える名品である
