本製品はアプリ必須と言っていいでしょう。
というのも、周波数特性を見るにデフォルトのチューニングは限りなくフラットです。Sennheiserのie 100 Proを思わせる「強調の無い音」です。
そのまま聞いたら「何かパッとしない音だな」と感じても無理ありません。本製品の強みはEQカスタマイズによる自由度の高い音作りにあります。
ある程度の価格帯以上であればアプリでEQカスタマイズなんて珍しくもないですが、JBLの場合非常に細かく、かつ柔軟にチューニングが可能です。
例えば「何箇所かに区切られたバーで+1、+2していく」というやり方ではなく、なぞったらなぞった通りに音が変化します。PCソフトウェアのEQに近い。
そしてイコライザをいじれば即時反映されます。なのでいつまでもいじくって遊べます。
またDJシグネチャ機能もありますが、こちらは入れ代わりが多く、またチューニングもやや極端なものが多いです。
唯一Tigerlilyさんは割とおとなしいチューニングです。聞いた感じ、高音域をやや持ち上げたくらいかな?
ほかは低音ブリブリだったり中華サウンド的な強ドンシャリが多かったです。
装着感はややクセがあって、筐体が大ぶりなので外耳が小さい人には上手くフィットしないかも。僕もイヤーピースを他社製のウレタン素材に変えないと駄目でした。
アプリそのものは使いやすく、登録したEQも現在設定してあるものならイヤホンに保存されます。(機種変更などでアプリを入れ直した場合、EQの名前のみ引き継がれません。〇〇's EQとユーザ名付のデフォルト名に設定されますので名前変更すれば元通りです)
コーデックがSBC/AACですので、いくらEQで自由自在に変えられるといっても音質には限界があります。しかし圧縮音源の多いサブスクならばそこまで気にはならないかも。とはいえ今やロスレスも増えてきていますが……Spotifyも早く対応して……。
またANCの効きは程々です。低音域を軽く減衰させるくらいです。2万円そこそこですし、装着感もピッタリ密着というよりは浅めな形状ですので仕方ないと思います。そのぶん音質変化や耳詰まり感は殆ど感じませんでした。
好き嫌いが分かれる製品ですが、イコライザをいじって理想の音質に変えるという工程に抵抗がなければ楽しいイヤホンです。
「メーカーが用意したチューニングを信じたいんだ!」という原理主義者には合わないと思います。僕もどちらかというと後者のスタンスなので、結局WF-1000XM4に落ち着きました。
カスタマイズを楽しんで!(*´ω`*)