高音の質:45
中音の質:50
低音の質:45
細やかさ:40
迫力:40
音場:35
「eシリーズ」から7年ぶりにモデルチェンジし、「xシリーズ」となった令和最新のGRADOです。
前モデルのハウジングはマホガニー材だったらしいですが、今回はメープルとヘンプが使用されており、イヤーパッドを外すと綺麗な三層構造になっているのが見てとれます。
特に中心のヘンプ材は、木星のようなマーブル模様で個性的ですね。
触ってみても、素材の継ぎ目などは特に感じず、綺麗な仕上がりになっていると思いました。
装着感は相変わらずのGRADOというか、オーバーイヤータイプのヘッドホンに慣れている方は、かなり違和感があると思いますが、こればかりは慣れるしかないですね。
幸いヘッドホン自体は非常に軽量なので、慣れてしまえば、長時間着けていても苦ではありませんでした。
遮音性は当然のことながら皆無、音漏れも盛大、というか、もはや積極的に音を外側へ放出しているとすら思えるレベルです。
しかしながらこれがGRADO特有の音ヌケの良さに繋がっていると思うので、文句は言えないですね。
音質の前に、個人的に残念だった点が2つ。
1つは、ケーブルが今回からナイロンのスリーブになっているのですが、これがやたらと硬く、取り回しが最悪です。
GRADOらしく着脱不可なので、リケーブルで対応することもできません。
もう1つは、プラグは3.5mmなのですが、据え置き環境で使うことがほとんどなので、前々モデルの「iシリーズ」のように、6.3mmのほうが個人的には嬉しかったです(一応6.3mmのアダプタは同梱されています)
音質ですが、非常に軽快かつ透明感ある中高域から、少し緩く広がってゆく低域が特徴的だと思いました。
高域も「カーン」と抜けていくのではなく、あくまで柔らかく鳴らしてくれるので、音圧の高い現代的なポップスなども、耳がしんどくならずに聴くことができました。
特にEDMを鳴らすと最高に気持ちが良いです。
アンプはHugo2のように、音色や色彩感を鮮やかに表現してくれるものがハマると思いました。
「eシリーズ」を既にお持ちの方でも一度体験してもらいたい、最新モデルに相応しいサウンドの逸品だと思います。