高音の質:45
中音の質:35
低音の質:50
細やかさ:40
迫力:50
音場:35
遮音性:45
音漏耐性:35
<音質>
デュアルドライバー構成ということもあり、
かなり個性的な音作りが成されています。
一聴して分かるのは低音の存在感であり、
低音域は適度に弾み、輪郭は太く、非常に力強いです。
本音域に対し拘ってチューニングが成されていることが伺えます。
高音域もイコライザー次第ではかなり鋭く表現可能ですが、
デフォルトでも低音域の存在感に負けず、不足なく出ていると感じます。
また、高音域に向かうほど音の解像感が上がっています。
中音域は高音域に寄り添っており、
やや腰高で浮いてる印象がありながらも、
低音域とのバランスを考えた場合、
これくらい軽やかな方が良いのかもしれません。
高音域&中音域がタッグを組むことで、
存在感のあるパワフルな低音域に音場を
支配させないようにしているのではないでしょうか。
各々のドライバーがそれぞれ違う音域を担当している為、
かなり異なった特性を持った音域同士が協力し合うことでしか出せない
音作りをしているのだと思われます。
基本的に全ての音が近く、明確な頭内定位です。
空間を隔てずダイレクトに鼓膜へ音を流し込んでくる為、
人によっては聴き疲れしてしまうかもしれませんが、
以上の特徴から迫力重視のリスニング体験が可能であり、
ドンシャリと一言では片づけられない個性を持っています。
得意分野は邦楽・洋楽問わず間違いなくロックかと思われます。
ヒップホップ、EDMなどにも適正があり、楽しく聴かせてくれるはずです。
逆に向いてないのは、バラードなどの静かに聴かせるジャンルです。
本機種の悪い部分が目立ってしまい全体的に不自然さが際立ちます。
<装着感>
ふかふかというよりは、どこかモチモチとした感触のイヤーパッドと
軽い重量のおかげで装着感はかなり軽快です。
側圧も適度な塩梅で、フィット感なども特筆して良いと感じます。
4~5時間ほど作業中に装着しておりましたが、
耳や頭が痛くなるようなこともありませんでした。
<機能性>
操作は非常に分かりやすく簡単です。
Bluetoothの接続も強固で、コーデックもaptX HDということもあり、
ワイヤレスヘッドホンとしての基本的な部分は、
見た目や音質の尖り方とは打って変わり、とても堅実だと感じます。
<デザイン>
トランスペアレントVer.を今回選択しました。
アクリル素材をデザインに用いると、
下手するとチープになってしまいがちですが、
そのようなこともなく内部構造が露出したメカニカルなデザインは、
その尖った音質を見た目の時点で察っしさせてくれるようでもあります。
<総評>
価格と音質のバランスが良い意味で崩れており、
間違いなくコストパフォーマンスの長けた良い商品だと思います。
音楽ジャンルによって合う合わないものはあるものの、
普通のヘッドホンには飽きてしまった方ほど、
本機種の個性的な(尖った)音作りが、
新鮮かつ楽しいリスニング体験をもたらしてくれるはずです。
つい、音質を追求するあまり高価な機種に目が行きがちですが、
ハイエンド機では逆にここまでの冒険は出来ないと思われる為、
そういった意味でも本機種を選択する価値があるのかもしれません。