10種類以上のイヤピを満足できない、満足できないとさまよい歩きましたが、これがゴールでした。
各音域の変化としては、ミッドベース、サブベースが増強され、量の増強にどまらず質感とアタック感、締まり、表現力が向上しています。このイヤピにしてから音数が少ないシーンでベースが唸ると鳥肌が立ちます。
ボーカル含むミッドレンジは量はそのままボーカルが少し前に出ます。
高域は減るわけではないのですが、伸びと透明感は少し抑えられます。慣れれば大丈夫なくらいなのでセーフとします。
特筆すべきはこの低音の品質向上の他に、空間、分離感です。
空間の広さは狭まらず無理に拡張もせず、イヤホンと上流の空間そのままという感じですが、ボーカルの引き立て方が本当に上手く自然と前に出て聴きやすくなります。
そして、分離感が著しく向上します。
しばらく聴き込むとそれぞれのパート同士の間に小さな空間ができたのがはっきりと分かりました。
これが先述の空間と相まり、全体を音が自然に満たし、それが隅々まで聴き取れるようになります。
解像度が上がるわけではないのに、ボーカル中心に音の一粒一粒がかなりくっきりと聴き取れるようになるのが本当に不思議です。
その他の特徴
ミッドベースを中心に音の芯が少し太くなりますが、分離感が高いのでSpinFit(特にW1)のようにキツくはならず、音の厚みが増して自然に定位する感じです。
この芯の太さも相まって、少し全体がウォームに寄りますが、もともとウォームなイヤホンでも暑苦しいと感じるほどではありませんでした(これは完全に主観)。
音の硬さは変わったとは感じられません。
余韻は短めで、艶感のようなものは少なめですが、イヤホンと上流側に艶感がある場合はそれが消されることはなく、しばらく聴いていれば「ああ、あるわちゃんと」と分かりました。