新しくイヤホンを買おうと思っているけど「どのイヤホンを選べばいいの?」「スペックの見方がよくわからない」「ドライバーってなに?」と、意外と分からないことばかり。
こちらの記事では、イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」の教育係である「とんぼ(@eear_tonbo)」にイヤホンの基本知識からタイプ、選び方までを詳しく解説してもらいます。
Apple純正も良いけど、自分で選んだイヤホンが欲しい、そんなアナタに素敵なイヤホンを探すお手伝いをさせていただきます。
是非最後までお付き合いください!!
◆スタッフ名:とんぼ e☆イヤホン教育部マネージャー
(@eear_tonbo )e☆イヤホン教育部マネージャーのとんぼです。音楽と映画とアメコミが好きです。
愛用機種:QuietComfort Earbuds
好きな音楽:ヒップホップ、R&B
【イヤホン・ヘッドホン専門店】e☆イヤホン
e☆イヤホンは、日本初&日本最大級のイヤホン・ヘッドホン専門店です。全国に4店舗(秋葉原店、大阪日本橋本店、名古屋大須店、仙台駅前店)とWeb通販を展開しています。ポータブルオーディオ取り扱いアイテム数は25,000を超えます。お気に入りの1台がきっと見つかるはず!
イヤホンの種類
有線イヤホン
▼有線イヤホンの種類
・インナーイヤー型(開放型)
・カナル型(密閉型)
インナーイヤー型(開放型)
メリット
バランスの良い音
外部の音が聞きやすい
デメリット
音漏れしやすい
装着感は人を選ぶ
インナーイヤー型は、耳の表面にイヤホンをひっかけて装着します。
耳の大きさに合わないと外れやすかったり、装着感は人を選びます。また、ボリュームが大きいと「シャカシャカ」と音漏れしてしまうデメリットもあります。
その反面、音質面ではジャンル問わず対応できるバランスの良い音が特徴です。
カナル型(密閉型)
メリット
音漏れしずらい
迫力のある音
細かな音まで聴こえやすい
デメリット
聴き疲れしやすい
カナル型は、耳の中に入れ込むタイプで音漏れがしずらいです。
音質面ではインナーイヤー型に比べ、迫力かつ繊細な音を鳴らすのが得意ですが、長時間の試聴では聴き疲れを感じてしまうかもしれません。
▼動画でも分かりやすく解説しています。
ワイヤレスイヤホン
▼ワイヤレスイヤホンの種類
・完全ワイヤレス
・左右一体型ワイヤレス
・片耳ヘッドセット
完全ワイヤレスイヤホン
メリット
ケーブルがなく快適
断線のリスクがない
デメリット
落とす可能性あり
接続が安定しないことも
その名の通りイヤホンの左右を繋ぐケーブルが無いことが最大の特徴です。
ケーブルがないため快適に使えますが、落としてしまい紛失するリスクなどもあります。
近年では接続性も大きく安定し、実用性の高い製品が増えてきています。片耳のみで使える製品も多く、通話用としてもおすすめです。
左右一体型ワイヤレスイヤホン
メリット
安価でも購入できる
紛失の不安が少ない
接続が安定する
デメリット
断線するリスクがある
タッチノイズが気になる
ケーブルで繋がっているタイプのワイヤレスイヤホン。首の後ろにケーブルをかけて使う為、紛失の恐れがありません。
ケーブルを引っかけてしまうと断線し音が出なくなってしまう可能性や、ケーブルを触った時のガサゴソ音「タッチノイズ」が気になることも。
片耳ヘッドセット
メリット
通話に最適
デメリット
音楽鑑賞には向いていない
片耳に装着するワイヤレスヘッドセット。
車の運転中の通話やリモートワークなど、主に通話用途に最適です。片耳のみで再生されるため、音楽鑑賞には向いていません。
骨伝導イヤホン
メリット
耳を塞がず解放的
BGM感覚で音を聴ける
デメリット
音漏れがしやすい
遮音性が低い
その名の通り”骨”を通して直接振動を送り、音を届ける方式です。
こめかみにスピーカー部を当てるリスニングスタイルを取り入れている商品がほとんどで、耳を塞がずにスピーカー感覚で音楽を聴くことができます。
耳をふさがないので音漏れがしやすく周りの音も聞こえすぎてしまうため、電車内や街中などの使用には向いていません。
カスタムIEM(イヤモニ)
メリット
遮音性が高い
耳にしっかりとフィット
好きなデザインに出来る
デメリット
納期がかかる
再調整が必要な可能性も
カスタムIEMは、通常イヤホンとは違い、自分の耳型(インプレッション)を元に形を作るため、耳にピッタリとフィットし外れにくく、市販のカナル型イヤホンより遥かに高い密閉性を持ちます。
また形状だけでなく、本体のカラーやデザインを自由に選択することができ、世界に一つだけの自分専用のイヤホンを作ることが出来ます。
イヤホンのパーツの説明
■イヤピース
カナル型イヤホンの先に付けるパーツ。
シリコン製やウレタン製のものがある。
■ノズル
イヤーピースを付ける軸の部分。
メーカーによって太さに違いがある。
■ドライバー
イヤホンの心臓、音が出る部分。
大きさや型式の違いで音が変わる。
■ケーブル
音の通り道になる線の部分。
■コネクタ(着脱式の場合)
本体とケーブルの着脱部分。
形状には複数の種類がある。
■プラグ
ケーブル先端の棒状の金属部分。
通常スマホなど搭載されている規格は、
3.5mmミニプラグと呼ばれる。
ドライバーの種類
ダイナミック型
メリット
低音が力強く響きやすい
価格帯に幅がある
デメリット
中高域が伸びづらい
一般的に広く普及しているタイプで、電気信号を受けたボイスコイルが、ダイアフラム(振動板)を前後に動かす事で空気を振動させて音を鳴らします。低価格帯の多くのイヤホンがダイナミック型を搭載しています。
比較的大きなサイズの為、基本的に片耳に一基ずつ搭載されています。2基搭載したデュアルダイナミックイヤホンも存在します。低音の再現力が豊かでハイパワーなのが特徴。
バランスドアーマチュア型
メリット
中高域がクリア
繊細な表現が得意
小型で、複数搭載する事が可能
デメリット
低音再生が苦手
複雑な仕組みで高価
補聴器用のシステムをオーディオ用に改良したもので、電気信号を受けたボイスコイルがアーマチュアという小さな鉄片を動かし振動板を振動させ、音を鳴らします。
ダイナミック型よりもドライバー自体が小さく、細かく振動させることが出来るので、音の分離が良く繊細でクリアな音が特徴。
また、ダイナミック型と比べ小型な為、帯域別に複数搭載する事も可能です。
例えば、SHUREのSE846というイヤホンは片側につき低域に2基、中域に1基、高域に1基の計4基のBAドライバーを搭載したイヤホンです。低域の解像度が高く、BAドライバー本来のデメリットである低域の量感をドライバーの数で補い、分離感の高いバランスの取れたサウンドを鳴らしてくれます。
ハイブリッド型
メリット
バランスの良い音質
デメリット
音にばらつきが出やすい
写真のようにダイナミック型とバランスドアーマチュア型が搭載されていたり、2種類以上のドライバーで構成されているイヤホンのことです。
まさに良いとこどりで、パワフルかつ繊細な音を楽しむことができます。デメリットとしては、一種類のドライバーで構成するよりも、まとまりを保つのが難しく、音の繋がりに違和感を感じやすいです。
コンデンサー型
コンデンサー型ドライバーは、極めて薄い膜でできた振動板を帯電した2枚のプレートで挟んだ構造になっています。この振動板は質量がほぼゼロに近い極小サイズで超精細な動きで振動する為、他のドライバーよりも原音に限りなく忠実なクリアな音源再生ができます。
しかし製造に高い技術力が求められる為、搭載している製品は少なく、高価なものになります。
メリット
原音に限りなく忠実
ドライバー史上最高スペック
デメリット
品数が少なく、高価
製造に技術力が求められる
アンバランス・バランス接続/プラグの種類
アンバランス接続
アンバランス接続は、音楽プレーヤーやテレビやゲーム機でも採用されています。
プラグは2本の線で3分割されていて、この分かれ方を3極といい、それぞれL・R・全体(グランド)を鳴らす為の役割があります。
3.5mmミニプラグ
プレイヤーやゲーム機、テレビ等でイヤホンを使用する際に、一般的に採用されているのが3.5mmミニプラグになります。アンバランス接続(一般的な接続)する際に最も普及しているプラグです。左からL・R・全体(グランド)を鳴らす為の役割があります。
3.5mm4極プラグ
3.5mm4極は、オーディオとしての役割は3.5mm3極と変わりません。残りの1極はリモコンマイクを操作する為の配線になっています。
6.3mm標準プラグ
主に家庭用アンプなど音響機材に接続する際に使用するプラグで、極数やその役割は3.5mmミニプラグと同じ配線になっています。
バランス接続
アンバランス接続が出来るプラグは、3極でそれぞれにL・R・全体(グランド)を鳴らす為の役割があると言いました。一方、バランス接続はL・Rの音をより細かく分離して鳴らすので、透明度の高いクリアな音が出せるようになります。
2.5mm4極プラグ
AKシリーズ等多くのプレイヤーに採用されている規格で、バランス接続する際に必要となるプラグです。左からR-・R+・L+・L-という配置になり、左右から発する音をより細かく分離する事で混線が無くなり、純度が高く透明感のある音を出すことが出来ます。
その反面プラグ自体が細くなるので耐久性が弱いのがデメリットです。
4.4mm5極プラグ
先ほどの4極にさらに全体(グランド)を司る配線を増やした構造になっており、より原音に近い音の再生が可能になっています。2.5mmプラグの弱点の強度もしっかりと補強されています。
イヤホンの基本スペックの見方
インピーダンスとは
抵抗値の事で、この数値が大きくなればなるほど電気抵抗が強いことを示し、ザラザラとした微細なノイズがカットされてクリアな音が鳴りやすくなります。抵抗が強い分、音が小さく感じてしまうというデメリットもあり、その場合アンプで信号を増幅させてボリュームを安定させる必要があります。
再生周波数帯域とは
再生可能な音域の範囲を示した数値で、この幅が広ければ広い程、低音域から高音域まで再生できる範囲が広くなります。ちなみに人が聴き取れるのは20~20,000Hzくらいまでです。
感度とは
イヤホンから出力される音の大きさのことで、 数値が大きいほど一定のボリュームで大きな音量になります。 聴感上の差を感じると言われています。
正しいイヤホンの装着方法
あなたはイヤホンを正しく装着出来ていますか??
普段、耳からぽろぽろイヤホンが外れるのは付け方が間違っているせいかもしれません。
しっかりと正しい装着方法を身に付けて、安全に快適に楽しみましょう。
まずこの3点をチェック
・イヤーピースのサイズ合ってる?
・イヤーフックを利用してる?
上下左右を正しい向きで装着出来てる?
〇正しい装着方法
✖上下逆に装着している
一般的にイヤホンは「R」と書いてある方を右耳、「L」とある方を左側に付けます。
また完全ワイヤレスでは、上下を逆向きで装着してしまっていて落ちやすい状態になってしまっている方をよく見かけます。向きが正しくないと、落としやすいだけでなく本来の音質を楽しめません。
イヤーピースのサイズ合ってる?
イヤピースのサイズ、材質が耳に合っていないことも大きな原因です。
小さすぎると外れやすかったり、大きすぎると耳に負担をかけてしまいます。付属のイヤーピースか別途販売されているイヤーピースから、自分に合ったサイズを選べばかなり外れにくくなります。
イヤーフックを利用したことある?
それでも外れやすいという人に試してほしいのが、こちら!
実は、通常のカナル型イヤホンでも、耳掛けタイプに変更できるアクセサリなんです。この耳掛けタイプを「シュア掛け」とも呼びます。
■シュア掛けとは
シュアとは、SHUREというアメリカの音響メーカーのこと。シュア掛けのメリットはケーブルが服や物にぶつかったときに起こる「ごそごそ」と鳴るノイズを軽減します。その上、元はミュージシャンが演奏中に行うイヤホンの装着方法なので動きに強く、外れにくいです。
完全ワイヤレスイヤホンの装着方法
現在、完全ワイヤレスイヤホンを駅や街中で紛失してしまう人が急増しています。
駅構内では、イヤホンが耳にフィットしていない状態で乗り降りをしてしまい、人とぶつかった弾みで耳から外れ線路に落ちてしまうという事例がとても多く発生しています。
専門店として、安全に完全ワイヤレスイヤホンを使用するコツをご紹介します。
どうしたら落ちない?
①自分の耳に合うイヤホンのかたちを選ぶ
完全ワイヤレスイヤホンは機種によってイヤホン筐体のかたちが違います。写真の左から耳の形に近いもの・イヤーウイングの付いているもの・楕円形のものなど様々な形があり、まずご自身の耳に1番ぴたっとハマってくれるかたちを探すことが大事です。
②イヤホンを正しく装着する
それぞれのイヤホンによって上下左右など正しい装着方法とより安定してくれるコツがあります。 これを上下左右逆につけてしまうとそのイヤホンの本来の音を聴けなかったり、落下しやすくなる原因になります。
③自分の耳に合うイヤーピースサイズを選ぶ
基本的にはイヤーピース(先端のゴムの部分)がS/M/Lの3種類が付属しています。機種によってはSSからあるものやイヤーウイングがあるものもあります。1番ぴたっと安定してくれるサイズを探しましょう。
付属のイヤーピースでどうしても装着感がいまいちハマらない場合は、完全ワイヤレスイヤホン用のサードパーティ製イヤーピースを使うことでまた違った装着感・音質を求めることができます。
AirPodsにはこんなアクセサリーがおすすめ
e☆イヤホンでは新品AirPodsのお取り扱いはございませんが、耳に入れる部分に付けるシリコンカバーやAirPodsの棒状のところに装着し耳にかけられるもの、首にかけられるものなどなど!AirPods用のアクセサリーは多数取り揃えております。
左右一体型ワイヤレスイヤホンの装着方法
以外に装着方法を間違えている事が多いんです。写真の様にケーブルは首にかけて装着しましょう。前に垂らす状態にすると、ケーブルの重みでイヤホンがズレやすくなります。
ウイングチップ使用時
ウイングチップとは、左側の2段目と3段目にある角が生えたみたいなイヤーピースを指します。
主にスポーツシーンで活躍するイヤホンに付属している事が多いです。
装着時は、このように耳の溝に入れ込むと、装着感がUPし外れにくくなります。
ながら聴きイヤホンの装着方法
耳たぶをつかみ軽く引っ張り、スピーカー部分を前側にして、そのまま耳たぶを挟むように下から装着します。
骨伝導イヤホンの装着方法
左右一体型ワイヤレスのように、ケーブルは後ろ側。こめかみあたりにピタッと乗せる感じ。
失敗しないイヤホン選びのポイント
せっかく色々検討してみて、買ってみたものの「想像と違ってた」なんてことになったら悲しいですよね。ここからは、イヤホン選びを外さないためのポイントをご紹介します。
・好きなジャンルや音で選ぶ
・利用シーンで選ぶ
予算で選ぶ
イヤホンを選ぶときは、あらかじめ予算を決めておきましょう。イヤホンの価格帯は1,000円台~100,000円以上とピンキリであり、性能が良くなるにつれ価格帯も上がっていきます。
好きな音楽ジャンルや、音の好みで選ぶ
音質が好みかどうかも大切なポイントです。イヤホンの性能がどんなに良くても、自分の好みの音楽ジャンルに合う音でなければ、音楽を聴いている間もストレスが溜まってしまいます。
購入を検討しているイヤホンがどのような音か?事前にユーザーレビューや、店頭で音質を確認しておきましょう。
利用シーンで選ぶ
予算が理想通り、音も好み・・・でも自分の利用シーンに全く適していなかったら、結局あまり使わなくなったり、他のものに買い替えることになってしまいます。イヤホンを使う場面は、「通勤・通学」、「スポーツ」や「リモートワーク」など人によってさまざま。自分の環境に合ったものを選びましょう。
好みの音がよくわからない!
「自分の好みの音ってどういう音?」って聞かれた時、なかなか言葉で表現するのが難しくないですか?そこで、イヤホンを聴いたらまず自分なりでいいので、この3つのタイプのうちどれかに分けてみて下さい!
ドンシャリ傾向
その名の通り、「低音がドン、高音がシャリ」と聴こえる傾向。 高音と低音が強調されている。ロックなどの元気でノリのいい音楽を聴くのに適していると言われています。
かまぼこ傾向
低音と高音が弱めで中音域が際立っている傾向のものです。「ドンシャリ」とは逆になります。 ギター、バイオリンなど金管楽器、ボーカルがはっきり聴こえます。
フラット傾向
先の2タイプとは打って変わって、どの帯域も均一に鳴らすのが特徴。色付けの無い原音に忠実なサウンドを求める方にはおススメです。音響系の作業に適した音質の為、業務用でフラット傾向なイヤホンを使用される方も多いです。
利用シーン別イヤホン選び
イヤホン選びにおいて、自分の環境にマッチしているかどうかはとても重要です。使い勝手悪いとストレスになってしまいますよね。皆さんはどんな環境でイヤホンを使う事が多いですか?
電車やバスでの通勤/通学で使用する事が多い
・でもアナウンスは聞き逃したくない
・移動時間によっては、再生時間が長い方が安心
公共の乗り物の為、音漏れは周囲の迷惑にもなりますし、遮音性が低いと周りの雑音が入ってきやすいので音楽に集中出来なくなります。そういった点でもカナル(密閉)型で、ノイズキャンセリング機能が搭載されている機種は重宝されます。
また、アナウンスを聞き逃したくないって方もいるんじゃないでしょうか。それでも遮音性は譲れないって方には周囲の音を聞こえやすくする外音取込機能を必要に応じて切り替えられる機種はいかがでしょうか。その中にはノイズキャンセリングも搭載されているものもあります!
スポーツをする際に使用する事が多い
・防水/防滴機能も大切
・屋外での使用なら、周囲の音が聴こえた方が安全
リモートワーク等通話する事が多い
・通話に特化したタイプの方がストレスがない
さいごに
いかがでしたか!?
イヤホンの世界は広く深く、知れば知る程どんどん面白くなってきます。さらに、イヤホンへの関心が高まる事で、音楽を聴く事がより楽しくなります。「このイヤホンならどう聴こえるんだろう」「自分の環境に一番ベストなイヤホンってどれだろう」そんなことを考えながら、調べたり聴いているうちに自然とあなたもイヤホンの世界に夢中になっている事でしょう。
ぜひ自分にぴったりの1台を探してみてください!